書評②

本日(令和6年3月29日)はハリウッド映画『オッペンハイマー』の本邦公開日です。「原爆の父」と呼ばれた理論物理学者ロバート・オッペンハイマーの生涯を描いた内容とのこと。昨年の夏に本国アメリカで上映が始まり、アカデミー賞7部門を受賞しました。私(田中)は物理学にはまったくの門外漢ですが、今年ぜひ観てみたい作品の一つです。

私はガリガリの文系です。だいぶ前のブログ(NO MORE WAR EVEN ON THE NEW FRONTIER | 株式会社アリヤス設計コンサルタント (ariyas.co.jp))で、北朝鮮が打ち上げた人工衛星の話から若干宇宙に関することへと話が及びましたが、実のところ理科や数学はからっきしです。ただ、小さいころ夢中になった『宇宙戦艦ヤマト』や『機動戦士ガンダム』などのSFアニメの影響もあり、宇宙に関することは嫌いではありません(もちろん実学は伴いません)。ですので、チンプンカンプンながらもここ数年は物理学にまつわる本をたまに読んだりしています。なぜ宇宙論に特化したものではなく物理学関連なのかというと、最新の宇宙論を展開するには量子力学の存在が欠かせないからです。ちなみに私が読んだ本の中では、村山斉先生の『宇宙になぜ我々が存在するのか』『宇宙は本当にひとつなのか』(いずれも講談社ブルーバックス)、吉田伸夫先生の『時間はどこから来て、なぜ流れるのか?』『宇宙に「終わり」はあるのか』(同講談社ブルーバックス)、和田純夫先生の『量子力学の多世界解釈』(同講談社ブルーバックス)などが、文系の人間でも楽しめるような内容になっています。もちろん、その道のエキスパートたちが最新の理論を紹介しているので完全に理解できるわけはないのですが、ひととおりページを繰った末、私なりに一つだけ確信したことがあります。それは「量子力学が我々の存在の根底(理由)に近づいている」ことです。おそらくそう遠くない将来、量子力学は人間に関するあらゆる哲学を凌駕し、その存在理由に迫っていく――そんな気がしてなりません。

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