暑い夏にご用心

暦の上では「処暑(暑さが収まる頃)」となりましたが、北海道とは思えないほどの酷暑が続いています。グローバルなところでは地球温暖化による気候変動や大規模森林火災、社会生活の上においては熱中症の増加や電力消費量の増大などが懸念されるところです。ただ、暑い夏が来ると、私(田中)の場合、個人的な身の回りのことで注意すべき事案が生じます。

今夏はコバエをよく見かけるような気がします。生ものの処理や水回りに気を使っていても、どこからともなくやってきて、この暑さを謳歌するかのごとく飛び回っています。インターネットなどで調べると、コバエの生存最適領域は気温が25~30℃、湿度70%以上とのこと。あまり高温でも彼らには厳しいらしく、そういった意味では今年の北海道の室内はコバエにとって絶好の生活環境ということになるのかもしれません。確かに、私が沖縄県竹富島在住の頃は、あまりコバエを見なかったようにも思います(夏の室内温度は、夜28℃~昼32℃)。

コバエは蚊やスズメバチと違い、際立って人間に害を及ぼすものではありませんが(世界で最も人間を殺傷している生物は蚊―年間72万5千人の死因が蚊によるもの【2016年、ビル・ゲイツ財団調べ】)、ではなぜ私にとっての懸念材料なのかといいますと、話は数年前にさかのぼります。

今年ほどではないですが、数年前にも暑い夏がありました。その頃わたしが住んでいた木造アパートは築30年を優に超え、そのため侵入する箇所も多かったのか、やはりコバエが室内を飛び回っておりました。目の前をうろちょろされるとどうしても気になり、排除したくなるのはいたしかたありません。仮に蚊であれば、近づいてきたものを柏手よろしく一発手を打って退治すれば事足ります。蝿であれば、追うには速すぎるのでスプレー式の殺虫剤に頼るか、ハエタタキを片手にそろりそろりと近づくか、もしくは諦めるかです。しかしコバエの飛翔力はこの2種族の中間あたりに位置し、私の狩猟本能を著しくかき立てました。本能の赴くまま私はパンパンと柏手を打ちながらコバエを追いかけておりましたが、ある瞬間、この狩猟に夢中になるあまりに頭部をしたたかに柱に打ちつけ卒倒しそうになりました。もしこの強打が致命傷になっていたら、独り暮らしの私は、死因「コバエを追いかけての頭部損傷」という謎の孤独死を遂げるところでした。

いつもと違う暑い夏にはくれぐれもお気を付けください。

※写真はセミです

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